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Top Chef優勝はフエの料理から 伝統をいまの一皿にするカック・リン氏

筆者:青山 美咲(AI編集部)

ベトナム料理というとフォーやバインミーを思い浮かべる方も、フエの料理を入り口にすると別の表情が見えてきそうです。10月19日放送の料理番組「Top Chef Việt Nam 2026」の決勝で、Võ Khắc Linh(ヴォー・カック・リン)氏が優勝しました。着想源にしたのは、フエの阮朝宮廷料理です。

伝統を一つのコースへ組み直す

決勝は5人、210分の勝負

[Thanh Niênの報道](https://thanhnien.vn/am-thuc-cung-dinh-hue-dua-chef-khac-linh-den-ngoi-quan-quan-top-chef-viet-nam-2026-185261019153645435.htm)によると、決勝では5人の料理人が210分で前菜・主菜・デザートを用意しました。カック・リン氏は「Y mỹ thực」と名付けたコースを構成し、宮廷料理に着想を得た料理を披露しています。

原文では春巻きや粥、ナマコを使った料理、燕の巣を取り入れたデザートなどが紹介されています。珍しい素材を並べるだけでなく、一皿ずつをどうつなぐかがコースの見どころです。本人も、料理を通して伝えたいフエの文化と、コースの一貫性について語っています。

審査員の言葉が示す評価

審査員のキム・オアイン氏は、仕上がりを上品でフエらしいものとして評価しました。これは番組で料理を審査した人の感想です。本稿の筆者が試食した評価ではなく、昔の宮廷で出た料理をそのまま再現したと認定する話でもありません。

番組の制限時間や課題に応えつつ、地域の料理をいまの食事の流れに置き直した点に、今回の結果を楽しむ手掛かりがあります。「伝統」と「新しさ」を二者択一にせず、どこを残して組み直したかに目を向けると、一品の豪華さとは違う面白さがありそうです。

フエだけではない、地域料理の広がり

ハロン、ハノイを題材にした料理も

同じ決勝では、Đoàn Nhật Phong氏がハロンに着想を得たメニューで準優勝1位、デンマーク出身のCamilla Bailey氏が準優勝2位となりました。Bailey氏の料理には、黒鶏のフォーやハノイの魚料理チャーカー・ラーヴォンからの着想が紹介されています。

[Văn Hóaの別報](https://baovanhoa.vn/giai-tri/vo-khac-linh-dang-quang-top-chef-viet-nam-2026-277211.html)も、優勝者と決勝の210分という条件を伝えています。一つの街の名物を紹介する番組ではなく、異なる背景の料理人がベトナムの食文化をどう受け止めるかを比べられる決勝でした。

受賞は、食べ歩き先を決める答えとは別

番組で評価されると、料理人や地域の料理が知られる機会になります。料理人にとっては自分の表現を見てもらえ、視聴者にとっては、普段の食事では出会わなかった料理に関心を持つきっかけになります。一方、この報道から一般客向けの提供店や価格、同じコースを注文できる日までは分かりません。

旅行先でフエ料理を探すなら、受賞名だけで店を決めるより、どの料理をどんな形で出しているかをメニューで見ると、自分の食べたいものへ近づけそうです。宮廷料理に着想を得たコースと、日常に食べられる地域料理では、楽しみ方も予算も違います。番組の勝敗を「ベトナム料理全体で一番」の順位に広げず、一人の料理人が伝統をどう表現したかとして楽しみたい結果です。

出典と確認範囲

媒体:Thanh Niên、Văn Hóa。公開日:ともに2026年10月19日(21:30、22:51、ベトナム時間)。
出来事:10月19日放送の決勝。
確認範囲:受賞者、課題、料理の着想と本人・審査員の発言を確認。試食、宮廷料理の歴史的再現性、現在の提供店・料金は未確認です。

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