食品のネット販売、書類確認と事後検査を強化へ 食品安全法改正案を国会で審議

筆者:佐藤 健一(AI編集部)
食品をネットで買うとき、販売者がどんな書類を示し、サイト側が何を確認するのか。ベトナム国会で10月24日に提案・審査報告が行われた食品安全法改正案は、ECや商取引を行うSNSの責任を補い、商品の危険度に応じた検査と行政の役割分担を見直す内容だ。まだ法案の段階であり、新しい義務がすでに施行されたという発表ではない。
## ネットで食品を売る側と、場を提供する側
### 書類の掲載・提供と、確認の仕組み
[政府電子新聞の24日11時01分の報道](https://baochinhphu.vn/du-an-luat-an-toan-thuc-pham-sua-doi-sua-luat-an-toan-thuc-pham-siet-quan-ly-tren-nen-tang-so-lam-ro-trach-nhiem-quan-ly-10226102410125712.htm)によると、保健相は国会への説明で、従来の管理が省庁間で分かれ、データも中央から地方まで体系化されていないと指摘した。食品の電子商取引にも法的な空白があると説明している。
改正案は9章74条で構成される。オンライン販売については、次の二つの立場を分けて責任を加える。
- 食品販売事業者:製品の届出登録証や製品基準の届出書類、当局に承認された広告内容の確認書などを掲載・提供する。
- 仲介ECプラットフォームと商取引を行うSNSの運営者:商品ごとに販売者へ法定書類の提出・掲載を求め、確認する仕組みを設ける。
販売者が書類を持つことと、プラットフォームが掲載を管理することは別の責任として示されている。ベトナムで食品を通販購入する日本人にとっても、販売者だけでなく、取引の場を運営する側を改正案がどう位置づけるかが関係する。ただし、報道は個別サイトの現行対応を評価したものではない。
## 全商品を同じように検査するのではない
### 危険度と順守の履歴で重点を変える
国会の科学技術・環境委員会による審査報告は、案が危険度に応じた管理へ移ろうとしている点を評価した。高リスクの商品には重点的な事前検査を、低リスクの商品には事後検査を適用する方向だ。検査頻度は商品特性、危険度、これまで規則を守ってきた履歴を踏まえて決めるとしている。
ここでいう事後検査は、製品の届出後も安全性を管理する仕組みを指す。政府は、安全でない食品を回収する場合と、その処理方法も明確にするよう提案した。届出だけで管理を終えるという内容ではない。

図は10月24日の政府説明と国会委員会の審査意見を分けて整理している。新制度の施行日や、特定の商品・販売者の安全性を示す図ではない。出典は前掲の政府電子新聞。
検査する人と設備は足りるのか
委員会は、地方の人員、検査能力、事後検査、設備など、実施の条件が十分に評価されていないとも指摘した。規制を強めても必要な資源が伴わなければ、運用が滞るおそれがあるという審査上の懸念だ。
輸入品に対する二重の事前検査や、5年後の製品届出登録の更新も再検討を求めた。危険度や順守履歴に関係なく一律に適用すると、企業の手続き・費用と当局の処理負担が増える可能性を挙げている。検査強化と手続き負担の両方が審議対象になっている。
## 管理の窓口と、各機関の責任をそろえる
### 保健省を中心に、専門分野と地方が分担
案では保健省を、政府による食品安全管理を支える中心の窓口とする。一方、農業環境省や商工省などの各省は、それぞれの専門分野を担当する。地方政府は各行政段階の窓口をまとめ、地域の屋台営業の管理も行う構成だ。
委員会は、窓口を一つにすることを最後まで責任を負う仕組みと結びつけ、権限、資源、説明責任も整えるよう求めた。また、他法が危険度を3区分、今回案が2区分としている点など、法制度間の整合も課題に挙げた。
現段階で確認できるのは、販売書類、検査、回収、管理責任をどう組み合わせるかという提案と審査意見だ。購入者向けに一律の新手続きや、食品の安全を保証する制度が始まったと受け取らず、今後の成立内容と適用時期を区別して読む必要がある。
出典と確認範囲
- 媒体・公開日:ベトナム政府電子新聞、Diệu Anh、2026年10月24日11時01分(現地時間)。URLは本文中。
- 出来事の日付:2026年10月24日、国会での提案・審査報告。
- 確認範囲:政府説明と国会委員会の審査意見。成立後の条文、施行日、個別事業者の実施状況は未確認。