売れないマンション、安く住めるとは限らない――ホーチミンの買い手と借り手の負担

筆者:青山 美咲(AI編集部)
## 売れないマンション、それでも買えない理由
### 値下げを待つ人と、売り出しを待つ側
マンションが売れていないと聞けば、そろそろ安く買えるのでは、と期待したくなります。でも、値札が下がることと、毎月の返済を無理なく続けられることは別です。
Báo Đầu Tưの10月12日報道によると、DKRAが調べたホーチミンと周辺地域の2026年7〜9月のマンション市場では、売り出し1万3215戸に対して成約3471戸、約26%でした。成約戸数は前四半期比66%減。これは販売動向で、建物の74%が空室という意味ではありません。
同紙でDKRA担当者は、高金利と高価格が購入をためらわせていると説明しています。一方、価格上昇や金利低下を期待し、売り出しを先送りする事業者もいるそうです。買い手も売り手も「待つ」状況ですが、望む値段は反対。私には、販売不振だけで一斉に買い得になるとは読めません。
## ベトナムの住宅ローンは、日本とどれほど違う?
### 当初の金利と、その後を分けて見る
10月13日に銀行の公式案内を確認しました。以下は個別審査前の掲載条件です。ベトナム側はVND、日本側は円の住宅購入融資で、同じ人が自由に借り換えられる商品ではありません。
・BIDV:9月17日更新の「最初の家」向け案内は、当初12カ月が年9.0%から、18カ月が9.5%から、24カ月が10%からです。最低借入期間は順に36・60・60カ月。借入時に同行の住宅購入ローンがない人が対象で、夫婦合計1件まで。優遇終了後の具体的な基準金利・上乗せ幅は、この案内では確認できません。
・VIB:住宅関連融資の申込ページは、6カ月固定9.5%、12または18カ月固定10.5%、24カ月固定11%と表示しています。更新日の表示と、終了後の金利算式・詳しい対象条件は確認できません。申込時に適用条件を確認する必要があります。
・HSBCベトナム:自己居住用住宅ローンの参考金利は、6カ月固定5.50%、12カ月6.50%、24カ月6.99%、36カ月7.99%です。固定期間後は変動で、銀行が決める基準金利に年0.75ポイントを加算。確認時の基準なら、見直し周期1・3・6カ月で年11.50・12.00・12.25%になります。将来の切替時にこの数値が保証されるわけではありません。ページの更新日は不明です。
HSBCの対象はベトナム人・海外在住ベトナム人で、月収2000万VND以上などの条件があります。外国人向け融資の可否は別問題です。Vietcombankの一般住宅ローン案内もベトナム国民を対象としています。在住日本人が、そのまま同じ条件で借りられると考えないでください。
### 日本の変動金利との隔たり
三菱UFJ銀行の2026年10月の新規借入は、変動が年1.195%です。店頭表示3.375%から2.18ポイント引き下げる仕組みで、1.195%が完済まで固定されるわけではありません。当初3年固定は2.95%、10年固定は3.75%。3年固定終了後は、その時点の店頭表示から1.80ポイント引下げとなります。日本国籍または永住許可、給与振込・勤続・団信などの条件があり、借入時の手数料は借入額の2.2%です。
固定期間を揃えられる例では、HSBCの当初3年7.99%と三菱UFJの3年2.95%には5.04ポイントの差があります。変動同士でも、HSBCの現行計算例11.50〜12.25%は、日本の1.195%より大幅に高い水準です。ただし一行ずつの例で、両国の平均でも、手数料・審査・通貨を揃えた総費用比較でもありません。日本の金利感覚のまま、ベトナムの長期返済を想像すると負担を見誤りやすい、という違いは見えてきます。
特に「当初6.50%」だけを見ると、その後も同程度で済むように感じがちです。同じ銀行でも優遇と変動の差が大きいため、住宅の値引きと最初の返済額だけでは、買えるかどうかを判断できません。
## 金利差は、家計のどこに響くのでしょうか
### 頭金があっても決断できない
VnExpressの10月12日付の報道では、18億VNDを蓄え、32億VNDの住宅を検討していた32歳の女性が、借入負担を懸念して賃貸を続ける選択をしています。別の購入検討者も、値下がりした中古住宅を前に、15億VNDの借入には踏み切っていません。値引きを喜ぶ気持ちだけでは返済への不安を消せない人が、実際にいるのです。
残高15億VNDを一定とする単純試算なら、年6.50%の利息は月平均812万5000VND。年11.50%なら1437万5000VNDで、625万VND増えます。元本返済・手数料は含まず、実際には返済で残高が減ります。HSBCの将来適用金利を予測する計算でもありません。それでも、数ポイントの違いが家計の余裕を大きく変えることは分かります。
### 優遇期間が終わってからも暮らせるか
家族の教育費や収入が途切れたときの備えは、融資審査に通っても必要です。契約前には優遇の終了月、その後の基準金利と加算幅、見直し周期、元本返済が始まる時期を確かめたいところです。HSBCは固定型の繰上返済にも当初数年間の手数料を掲げています。「負担が重くなったらすぐ返す」という逃げ道にも費用がかかり得ます。
借り手にとって優遇は当面の支払いを軽くする利点があります。ただ、その後の変動を家計が引き受けるなら、入口の安さだけを強調する広告は十分な説明ではありません。手元資金を使い切って購入する人ほど、少し値引きしてもらうことより、返済が増えた月にも生活を維持できるかが大切です。
## 借りて暮らす人は、家賃を別に確かめて
### 売買不振は家賃下落の証拠ではありません
今回の販売統計から、日本人が借りたい地域や家具付き住戸が余っているとは言えません。所有者のローン金利が高くても、希望家賃をそのまま転嫁できるかは借り手の需要次第です。同じ建物の募集を比べ、管理費・駐車場代・修繕負担を含む総額と更新条件を確認しましょう。買うか借りるかは、景気の見出しより、自分の収入と暮らしに合う契約で考えたいですね。
## 出典と確認範囲
媒体・公開日:Báo Đầu Tư/VnExpressは2026年10月12日。BIDVは6月1日公開・金利9月17日更新。三菱UFJは10月1日現在。HSBC・VIB・Vietcombankは公開・更新日表示を確認できず、10月13日閲覧時の案内です。
出来事の日付:販売統計は2026年7〜9月。購入者の取材日記載なし。
確認範囲:統計はDKRA原本ではなく報道の紹介値。金利は公式掲載値で個別見積もりではありません。今後の金利、家賃、BIDV・VIBの優遇後条件は未確認です。
出典URL:
https://baodautu.vn/thi-truong-chung-cu-phia-nam-quy-iii2026-chao-ban-13215-can-ho-tieu-thu-chi-3471-can-d721173.html
https://vnexpress.net/nguoi-mua-nha-van-de-dat-xuong-tien-5128473.html
https://bidv.com.vn/bidv/ca-nhan/khuyen-mai/san-pham-vay/bidv-trien-khai-goi-vay-uu-dai-ngoi-nha-dau-tien-danh-cho-khach-hang-ca-nhan
https://www.vib.com.vn/vn/vay-mua-nha/dang-ky/
https://www.hsbc.com.vn/en-vn/loans/products/home/
https://www.bk.mufg.jp/kariru/jutaku/yuuguu/index.html
https://www.vietcombank.com.vn/vi-VN/KHCN/SPDV/Vay/Vay-mua-nha-dat