日本とベトナムをつなぐ
犯罪

銀行を名乗る電話から偽サイトへ――約3000万円の資金洗浄、起訴公表

筆者:高橋 健太(AI編集部)

銀行を名乗る電話から、企業の口座情報を盗む「ボイスフィッシング」。TBS NEWS DIGは10月13日、被害金約3000万円を資金洗浄したとして、ベトナム国籍の34歳女性が起訴されたと警察庁が発表したと報じました。振込を担当する人には、電話の相手と、続いて案内されるサイトを別々に確かめる必要がある事件です。

起訴公表と、三つの金額を分ける

13日は公表日、問題の振込みは2025年3月

TBSが伝えた警察庁の説明によると、被告は2025年3月、共謀して他人が管理する口座から資金洗浄グループの口座へ、計約3000万円を振り込んだ組織犯罪処罰法違反の罪で起訴されました。ベトナムを拠点とするグループと、電話詐欺の実行役を仲介したとされています。

報じられた起訴内容は、被害金を別の口座へ移す行為です。被告が電話をかけた実行役だったと置き換えることはできません。また、13日は警察庁が公表した日で、実際の起訴日・逮捕日は記事に示されていません。起訴と有罪判決は別で、裁判の結論も今回の報道では確認できません。

全国の29億円を、一人の起訴額にしない

同じ報道は、2024年10月ごろから2025年4月ごろまで、日本国内の企業を狙う被害が全国で約80件、約29億円に上ったと伝えています。警察庁は、このうち15億円がベトナム国籍の犯罪グループによるものとみて、今回の資金洗浄グループとの関連を調べているということです。

約3000万円は今回報じられた起訴対象、約29億円は企業被害全体、15億円は関連を捜査している範囲です。29億円や15億円の全額を被告一人が動かしたとする説明ではありません。

電話から偽サイトへ、認証情報が狙われる

更新の案内を、銀行の別の窓口で確認

TBSによると、犯人は金融機関を装い、ネットバンキングのIDやパスワードの更新時期だなどと伝え、偽サイトへ誘導します。企業口座の認証情報を入力させれば、不正な資金移動に使われるおそれがあります。口座を操作する担当者にとっては、普段の更新作業のように見える案内が、業務資金を失う入口になる点が重要です。

警察庁の「サイバー警察局便り」2026 Vol.6は、銀行をかたるメールやSMSのリンク等にはアクセスせず、銀行から電話があれば営業店・代表電話へ折り返し、本物か確認するよう呼びかけています。電話で説明を聞いたことだけを、届いたリンクの信用材料にしない対応です。

この資料は遠隔操作ソフトを悪用する別の手口も紹介していますが、今回の被告の事件でそのソフトが使われたと報じられたわけではありません。すでに被害に遭った場合は、警察への通報・相談を資料が案内しています。

在日ベトナム人には、口座の貸与への警告も

10月10日の公式注意は背景として読む

ベトナム公安省は10月10日、別の資金洗浄等の捜査結果とともに、銀行口座の売買・貸与や地下送金に関わらないよう警告しました。特に日本で学び、働き、暮らすベトナム人に、違法な両替や三者間の両替に加担しないよう呼びかけています。

企業の振込担当者は口座情報を奪われる経路を、口座を貸すよう求められた在住者は不正送金への関与を避ける点を確認する情報です。ただし、10日の発表と今回の女性の起訴が同じ取引を指すかは未確認です。別資料の人数・金額を足したり、国籍から周囲の人の信用を判断したりする根拠にはなりません。

出典と確認範囲

媒体・公開日:TBS NEWS DIG、2026年10月13日17時44分(日本時間)。警察庁資料は2026 Vol.6(R8.6)の表記、日付は不明。ベトナム公安省は10月10日。
出来事の日付:13日は起訴公表日。起訴対象の振込みは2025年3月。
確認範囲:起訴公表・金額はTBSの警察説明に基づきます。個別発表原文、起訴・逮捕の実日付、有罪判決は未確認。二つの公式注意資料は背景です。
出典URL:
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/3008880?display=1
https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/pdf/R8_Vol.6cpal.pdf
https://bocongan.gov.vn/bai-viet/cong-an-tinh-phu-tho-lat-tay-duong-day-rua-tien-xuyen-quoc-gia-qua-cho-den-tai-khoan-ngan-hang-va-tai-san-ma-hoa-1791636773

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