春日井の無許可ジビエ処理疑いで再逮捕 買う前に確かめたい流通経路

筆者:高橋 健太(AI編集部)
## 春日井の再逮捕で問われていること
### 販売の認容と、許可の認識は別
中京テレビは10月14日、愛知県春日井市で、保健所の許可を得ずイノシシを解体し、食肉処理業を営んだ疑いで、ベトナム国籍のファン・ヴァン・ダオ容疑者(28)が再逮捕されたと報じた。警察によると、仲間と共謀して2025年と2026年にイノシシ2頭を解体した疑いがある。
報道では、本人は食肉としての販売を認める一方、許可が必要とは知らなかったとして容疑を否認している。販売したという説明と、犯罪の成立が確定したことを同じにはできない。起訴や有罪判決は確認されていない。
男は、無許可のわなでシカを密猟したとする鳥獣保護法違反の疑いで、すでに逮捕されていた。今回の再逮捕は食品衛生法違反の疑いに関するものだ。捕獲の適法性と、肉を処理して販売するための条件は、それぞれ確認が必要になる。
## 買う側に見えにくい「処理の履歴」
### 知人の紹介でも、許可施設を確かめる
中京テレビによると、愛知県はSNSなどで個人販売されるジビエを購入しないよう注意を呼びかけている。購入者の国籍や販売相手の属性は報じられておらず、在日ベトナム人全体の行動を示す事案ではない。日本で食材を買う人、仕入れる店に共通する問題として、流通経路を考えたい。
厚生労働省は、飲食店や販売店がジビエを調理・販売する場合、食肉処理業の営業許可を受けた施設で解体された肉を仕入れる必要があると説明する。愛知県の衛生管理ガイドラインも、捕獲から運搬、処理、販売先までの記録や、個体と記録を結び付ける管理を求めている。
これは、ジビエを一律に避けるという話ではない。許可施設での処理と記録を確認できる流通には、肉の由来をたどり、問題があった際に関係先を確認する手掛かりがある。一方、売り手の「新鮮」という説明だけでは、どこでどう処理し、管理した肉なのかは分からない。
家庭で買う人には、紹介者との親しさとは別に、販売者や処理施設、保存方法を確かめる手間が生じる。飲食店が仕入れる場合には、その確認と記録の管理を店が担う。経路が不明な肉を安さだけで選べば、店の仕入れ判断に依存する客には、処理の条件が見えないままになる。本件の販売価格や利益は不明で、実際に安かったとは断定できない。
### 許可施設の肉も、加熱は必要
厚労省は、生や加熱不十分なシカ肉・イノシシ肉には、E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌、寄生虫による食中毒のリスクがあるとする。愛知県のガイドラインは、中心部を75℃で1分間以上、または同等以上の効果がある方法で加熱するよう示す。器具の使い分け、処理後の洗浄・消毒も必要だ。
処理施設の許可を確かめることと、家庭や店で十分に加熱することは、両方が必要になる。許可があれば生で食べてよい、という意味ではない。ただし、この事件で食中毒や感染者が出たことは確認されていない。一般的な衛生上のリスクと、今回起きたと確認できる被害は分けて受け止める必要がある。
## 出典・日付・確認範囲
報道:中京テレビ/日テレNEWS NNN、2026年10月14日15時39分(日本時間)。
https://news.ntv.co.jp/category/society/ct4be0cddad79d493997cda6d1b446885a
背景資料:厚生労働省「ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理」(初回公開日不明、10月15日確認)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00021.html
愛知県「野生鳥獣肉衛生管理ガイドライン」(2023年10月10日改正、10月15日確認)。
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/eisei/0000080998.html
出来事:再逮捕は10月14日、解体の容疑は2025年・2026年。確認範囲:警察・県への取材報道と公式衛生資料。購入者の声、販売量・収益、起訴・有罪、健康被害は未確認。