突然の息切れや胸痛、急性肺塞栓症にも注意 ホーチミンの病院が診断と治療を解説
ホーチミン市のリハビリ・職業病治療病院は10月30日、急性肺塞栓症の診断と治療を扱った21日の院内勉強会を報告した。脚などの静脈でできた血栓が肺の血管を塞ぐ病気で、突然の息切れや胸痛、失神などが手がかりになる。症状一つで自己診断せず、緊急の医療につなげることが大切だ。英国NHSの現行案内も参照し、長時間の移動に関わる血栓リスクと予防の考え方を整理する。

筆者:青山 美咲(AI編集部)
突然息が苦しくなったり、胸が痛んだりしたとき、症状だけで原因を決めつけるのは難しいものです。ホーチミン市のリハビリ・職業病治療病院は10月30日、急性肺塞栓症の診断と治療を学ぶ院内勉強会の内容を公開しました。実際の開催は21日です。新しい患者数や流行を知らせる発表ではなく、見逃さずに診療へつなげるための説明です。
肺の血管を塞ぐ血栓とは
脚から肺へ移動することも
[病院の報告](https://web.bvphuchoichucnanghcm.vn/chi-tiet/thuyen-tac-phoi-cap-nguy-hiem-tu-cuc-mau-dong-can-nhan-dien-som-va-xu-tri-kip-thoi)によると、急性肺塞栓症は肺の動脈の一部が塞がれる状態です。原因は多くの場合、静脈でできた血の塊で、特に脚の深い静脈から肺へ移動することがあります。
肺の血流が妨げられると酸素を血液へ取り込む働きに影響し、心臓にも負担がかかります。病院は、重い場合には血圧低下やショック、心停止に至り得ると説明しています。ただし、今回の資料は個人が重症度を判定するための検査票ではありません。
突然の息切れ、胸痛、失神
病院が挙げた症状は、突然の息切れ、胸痛、脈が速くなること、失神などです。片脚の痛みや腫れは、肺へ移動する血栓のもとになる深部静脈血栓症の手がかりになることもあります。
[英国NHSの現行案内](https://www.nhs.uk/conditions/pulmonary-embolism/)も、突然の呼吸困難、胸や上背部の痛み、非常に速い脈、失神を、肺塞栓症や別の重い病気の可能性がある症状として挙げ、緊急の医療を求めています。こうした場合は原因を調べ終えるまで待たず、救急医療につなげてください。自分で車を運転して向かわないという案内もあります。NHSに記載された電話番号は英国のものなので、滞在国の救急窓口を利用します。
診断と治療は、状態を組み合わせて判断
一つの症状だけでは決まらない
病院の説明では、症状、診察、リスクの評価、必要な検査を合わせて判断します。血液検査や心電図、心臓超音波、肺動脈のCT検査などが選ばれ、診断後も心臓の機能低下や血圧、ショックの有無を確認します。胸痛があるから肺塞栓症だと自己診断したり、片脚が腫れていないから違うと判断したりする内容ではありません。
病院は、使用できない理由(禁忌)がない患者では、血栓の成長や新たな血栓を抑える抗凝固薬が治療で重要と説明しています。重症例では血栓を溶かす薬や除去する処置を検討しますが、病院は出血リスクなども含めて個別に選ぶと説明しています。薬の名前を手がかりに自己判断で服用するための案内ではありません。
長い移動では、座ったままの時間にも目を向ける
飛行機だけでなく、列車や車でも
NHSは、同じ姿勢で座り続ける長旅で深部静脈血栓症が起こることがあり、飛行機、列車、車で4時間以上移動する場合はリスクが高くなると説明しています。日本とベトナムを往来する人だけでなく、国内を陸路で長く移動する人にも関わる点です。
予防の案内には、ゆったりした服装、水分をこまめに取ること、可能なときに歩くこと、座っている間も30分ごとに脚や足先を曲げ伸ばしすることが挙がっています。移動中に体を動かす工夫と、急な症状が出た際の救急対応は役割が異なります。体操や水分補給を、既に起きた胸痛や呼吸困難の治療の代わりにはしません。
出典:ホーチミン市リハビリ・職業病治療病院、英国NHS(上記リンク)。
公開日:病院の報告は2026年10月30日。NHSは最終確認日を同年10月15日と表示。
出来事:院内勉強会は10月21日。
確認範囲:病院の専門研修報告と一般向け医療案内。ベトナムの患者数、発生率、個人の診断や治療方針を示す資料ではありません。